近鉄とオリックスの球団合併話には驚いたが、藤田まこと激怒!との関連記事には、「何が関連があるの?」と思ったが、よくよく読んでみると近鉄球団の後援会副会長らしい。コメントを読んで、これまた彼しか言えないコメントで、「説得力有り過ぎ!」と思わず膝を打ってしまった。

ところで、
私のような職業の人間からすると、まず頭に浮かんでしまうのは、もし合併となったら「トレーナーの人達は大変だな。」という事だ。合併ともなればどちらか一方のトレーナーの人達は職を失う事になる。スポーツニュースの噂では、もう一つ合併させて全部で10球団にして1リーグ制に!などとも言われているようだ。そうなれば2球団のトレーナーが路頭に迷う。もちろん、大変なのはトレーナーだけでは無いのだが、やはり同業という事で…。


日本には沢山の「トレーナー」という人達がいて、もちろん私にも多くの知人がいる。最近では色々な有名選手を指導している有名トレーナーがマスコミなどに登場し、若い人達もそれに憧れトレーナーを志す人が増えている。


それ自体は歓迎すべき事なのだが、一方で「影」の部分も知らなければならない。
私の知るスポーツチーム所属のトレーナーでも、毎年契約更改の時期は悲喜こもごもだ。選手同様、契約してもらえなければ飯が食えないのだ。選手ほど高い年棒をもらっている訳では無いので、しばらく遊んでいる余裕も無い訳で、それはもう切実なのだ。


まして、チームで働いている間はチームに掛かり切りになるので、外界に対して求職活動も出来ず、突然その日がやって来ることも少なくない。
ましてや今回の様なケースだと、現場も不安である事は想像に難くない。(シーズン中に情報が漏れたことを非難する声もあるが、現場スタッフからすると情報が早い方が有り難いのだが。ただし試合中に記者会見はまずい!これでは選手も、何よりファンを無視しているとしか言い様が無い。リーダーとして失格。)


チーム専属というのはステータスもあり一見良い様なのだが、実はそうでもないことも多い。またよくあるのが、親分が変わると子分も変わる。つまり監督が変わるとトレーナーも自分の息の掛かったトレーナーを連れて来るので、今までのトレーナーはクビになるケースだ。
これは様々なスポーツで起きている。それに対処するために、予め人に附いているトレーナー(要するに監督、又はその候補者にゴマすり、擦り寄りの類)も非常に多い。しかしこれも事情を察すれば致し方の無い事とも言える。私はそれは否定するつもりは無い。生きていくには当然必要な事だ。(ただ選手の側からの視点も、せめて持っていて欲しいが。要はデリカシーの問題。)


そんな訳で、業界では名の通った腕利きのトレーナーでも仕事が無い、という現象は色々見て、聞いている。
そういう意味では、本当の意味で自分に「腕」が無ければならない。つまり一個人で「何が」出来るかだ。どこに所属していたかどうかは、ほっぽり出されると全く通用しないのだ。これからは
「トレーナーと言えばチーム所属」
「トレーナーと言えば選手の担当」
「トレーナーと言えば…」
という旧来の既成概念を外れた所での活動方法・場所を自ら模索して行かなければ、仕事をし続ける事は難しいと言わざるを得ない。


これからこの世界を目指す若い人達も、是非肝に銘じて欲しい。
このニュースからつい、こんな事を感じてしまった。