女優の大原麗子さんが亡くなられた。



最近は病気もあり活動をしていなかったようなので、
若い人には馴染みがないだろうが、
我々世代(アラフィー)以上には、
まさに憧れの女優さんであったことは疑いの余地がない。






今の女優さんに例えたら…

と考えても、当てはまる存在がいない。





妙な色気と、それでいて可愛さと可憐さ、
気品までも兼ね備えていて…





まさに「小悪魔」「アンヌュイ」という言葉は、
彼女にピッタリであった。






新聞をはじめとしたメディアの論調は、
ほとんど全てが



「孤独死」

「寂しい晩年」



といった感じ。






私もこの歳になった事もあり、
決して他人事ではない。




死の瞬間、
独りきりだと、それは「孤独死」なのだろうか?





死の瞬間、いや、その少し前から、
ほとんどの場合は本人に意識(状況を認識する能力)は、ほぼ無い。





とすると、孤独と感じるのは、
亡くなった後、その状況を客観視した立場からの見解である。





とすると、




何を以て、「孤独」か?




逆に、臨終の間際、
側に沢山の人がいれば「孤独」ではないのか?




生死の境にいる人間に、
そんな事を感じ取る余裕などあるはずが無い。






人間が天に召される瞬間は、
誰もが独りきり。





孤独がどうか、なんて、
生き延びている周囲が勝手に感じている事に過ぎない。







少なくとも、大原麗子さんの数々の仕事を思い返せば、
事実、私の心にも鮮明に残っているし、



そういう人が大勢いるはず。







とすると、
臨終の場には誰もいなくとも、
彼女は決して「孤独死」などではない。




無論、それで不幸せとも思わない。





何はともあれ、ご冥福をお祈り申し上げたい。




…合掌。






個人的には、故・石立鉄夫さんと共演された
「雑居時代」というドラマが、最も印象に残っている。