今日で一人、選手のミニキャンプ(アインズ・クロスカントリー山岸修選手)が終わり、
また明日から別の選手が上京し(コンバインド加藤大平選手)、
また東京合宿。



というわけで、
5月もそろそろ中盤。



次なるステージに向けてのトレーニングが徐々に本格化。




TEAM NISMOは先のレースで優勝を果たし、
次のレースまでは間が空くものの、
今月は鈴鹿でマシン&タイヤのテスト。




みな、序盤の勝負所に差し掛かる。








さて、ここで「良いトレーニング」について考えてみたい。




もちろん「良いトレーニング」とは、
その選手やクライアントの弱点を克服すべき理にかなったトレーニング、
ということになる。





だが、ここで問題になるのは「納得度」。





つまり、トレーニングコーチは専門的観点から、あるいは経験値から、
「これが必要」とトレーニングプログラムを提案しても、
本人が心の底で納得していないと、
いくらそのプログラムが専門的に素晴らしくとも、
それは「良いトレーニング」とはならない。




となると、
内容は少し足りなくとも、
選手の納得度が非常に高いと、それは結果的に「良いトレーニング」となる可能性もある。





だが、トレーニングコーチの伝え方が絶妙だと、
どんな選手にも主旨が理解させられ、
結果として最高のプログラムになる。


理論的には。




もう一つ、考えなければならないのは、
選手及び対象者の「実践能力」。




つまり、頭では理解しても、
身体で体現出来ないと意味がない。



時間が潤沢にあれば、じっくり時間を掛ければ良いが、
時間が無いとなると、そこばかりに時間を掛けると、
結果的には何一つ身に付かないことにもなる…





つまり、「良いトレーニング」、
または、「選手にパフォーマンスを発揮させる為に鍛える」とは、
これらの「変動要素」を全て、トータルバランスとして考慮しなければならない、






…と、いうことなのである。








トレーニングコーチ、トレーナーが自らの能力を高めるのはもちろんのこと、
加えてプレゼンテーション能力も高める必要がある。




また、それにも増して、
目の前の選手が、果たしてどの程度の理解をしているか、
読み取る能力が、何より必要である。




特に、かなりの実績のあるトレーニングコーチであると、
選手は無条件に飲み込み、
分かっていないのに分かった「フリ」をすることもある。



無論、「この人に指導受けたんだから、オレは勝てる!」
という精神的側面も否定はしない。




だが、残念ながら、
その関係は長続きしない。



つまり、最後の変動要素は、
「選手(クライアント)とトレーナーの関係性」
である。






これだけの変動要素を考慮した中で、
その結果として、「良いトレーニング」か否かが決定される。



同時進行的に、
選手やクライアントの理解力を増す努力も必要になる。


言ってみれば、選手・クライアントの「教育」である。









素晴らしいプログラムやメソッドをどこかで習ってきて、
それで「良いトレーニング」が指導出来るかと言えば、
そんなに容易いことではない。







もちろん、私もまだまだ修行中であるが、
様々な変動要素をどこまで意識出来るか?



そもそも「目的は何か?」






流行りのプログラムに流されず、
まずは「基本」である。