ご承知のとおり、私はスポーツ系専門学校で教鞭を執っているが、
実は卒業生によく遭遇する。
多い日は一日に何人にも。


何故かと言うと、私が依頼を受けておこなうセミナーやワークショップの類いに、よく卒業生が受講に来るのである。
または、自分の仕事関連で様々なフィットネスクラブやその他の指導現場に行くと、そこで働いていたり。
恐らく、学校の正職員を含めても、講師全体で私が最も多く卒業後の人たちに会ったり、仕事の現場を見ていると思う。
学校の教員というのは、卒業後の子たちはほとんど意識の外になってしまうので。
(忙しいから現役学生で手一杯なんですな)



卒業生とよく話に出るのが、
「学生の時にもっとちゃんと勉強しておけば良かった」
ということ。
これは私も人のことは言えず。
恐らくみんなそう思っているだろう。



私がやるセミナーなんて、私の講義を受けている人間にとっては復習のような内容も多いが、
やはり聞いてみると「当時と意識が違うので、まったく違う話に聞こえる」らしい。



結局、社会に出て現場に放り込まれて、
初めて学校で学んでいたことの重要性に気付く、というのは定番のようなもの。
要は、学生時代の勉強は野球で言えば「素振り」のようなもんで、
現場に出ていきなり「実戦」になってしまうのである。
その前に、やはり「シートバッティング」が無いと、生きた球を打つことは出来ないのだ。


そこで意識のある人間は、
セミナーなどに参加して「シートバッティング」や「ノック」を受けに来るのであろう。


卒業生の、「学生の時に一生懸命やっておけば…」
という心の叫びを現役学生に聞かせてやりたいが、
たとえ聞かせてもピンとは来ないんだろうなぁ。


やはり三振ばかりの毎日を過ごして、
初めて練習の重要性に気付く、というところか。