たった今終了したTV番組(フジTV)、
「タモリのジャポニカ・ロゴス」という番組が面白かったので、
思わずエントリーを。


最近、よく題材になった番組を目にするが、
日本語の面白さや難しさを解説した番組であった。
解説は日本語学者の金田一秀穂氏。(獨協大学非常勤講師)
金田一京助氏、金田一春彦氏に続く、3代目である。
他の番組でも見た事があるが、非常にユーモアに富んだ方で、
面白く分かりやすく、日本語を解説して下さる方だ。


全てはとても書けないが、
特に興味を持ったのは、「敬語」に関する部分。



<例題>
「会社の中で夕方、廊下で社長にすれ違った。どのように挨拶するか?」

皆さんはどのようにお考えだろうか?



ちなみに正解はと言うと、

「社長、どうも…」(と会釈)

だそうだ。

本来、「お疲れ様です」は、目下の人に使う言葉なので、
この場合は適切でない。
(ご苦労様、と同様である)
この事は私も知っていたが、自分も他に適当な言葉が分からなかった。


基本的に、このようなケース(夕方、就労中に遭う)の場合、
日本語の敬語として目上の人に使う言葉は無いのだそうだ。
(朝なら“おはようございます”なのだろうが)
よって、「どうも」がこの場合、敬語としての機能を持つ、という事らしい。
変に、余計な敬語を使おうとすると、かえって誤りになるようだ。
って事は、余計なこと言うぐらいなら、黙って会釈しとけって事か…。

なるほどねぇ〜。


もう一つ。有り得ないケースだが…。

<例題>
「総理大臣と食事に行って、総理のそばにある醤油(ちょっと自分からは距離がある)
を取ってもらおうとする場合、どのような敬語が適切か?」


私も、「取って頂けますか?」とか「大変失礼ですが…」とか、
前後に余計な言葉を付けることばかり考えていたが、

正解は、

「総理、醤油を……」(と、困ったように口ごもる)

だそうだ。


基本的には、目上(それもかなりの)に対して、
何かを依頼する、というのはかなり失礼な行為らしい。
なので、“意図を知らせて、察してもらう”事をまず目的に、
考えることが大切らしい。
つまり「言葉にすべきでない敬語もある」ということのようだ。


いやぁ〜、面白かった。この番組。



ちなみに、番組の中でも話題になっていたが、
「国語辞典」と言うのは、編集者によってかなり表現は違うらしく、
そもそも「辞典」というのは、ある言葉を別の言葉で表現しようとしたもので、
どうしても限りがある。
しかも編集者は、他の編集者が作った表現方法とは違った表現を考えるため、
(別に同じでも構わないが、暗黙の掟のようなものがあるそうだ)
中にはかなり特徴的な辞典もあるそうだ。


その中でも面白いのが、
三省堂書店・新明解国語辞典という辞典だそうで、
かなり笑える(苦心の跡が見える)言葉も多いそうだ。
(リンクをクリックしていただくと、「新明解国語辞典を読む」という
 おもしろいサイトにジャンプします。結構面白いです。
 ちなみに、三省堂のオフィシャルサイトではありません。個人のサイトです。)


買おうとは思わないが、
ちょっと本屋で見てみよう。