サプリ&機能性食品:1日400IU(267mg)以上のビタミンEは有害:サプリ好きの米国民に衝撃走る【AHA2004速報】。
(日経ヘルスHPより。尚、「AHA」とは“American Heart Association”米国心臓財団:の略)


1日当たり400IU、α-トコフェロール換算で267mg以上のビタミンEを摂取した場合、総死亡率が10%程度増える。AHAが11月10日、研究報告についての記者会見と同時に発表したこのニュースを米メディアはこぞって一面扱いで取り上げた。健康の増進や回復を願って、健康メディアや一部医師の勧めるままに高容量のビタミンEを取り続けてきた人々が受けたショックの大きさは想像に難くない。

 欧米を中心に世界各国で実施されたビタミンEに関する臨床試験結果を報告した19論文に基づくメタアナリシスに基づく研究で、11月10日のポスターセッションで、米Johns Hopkins Medical UniversityのEdgar Miller氏らが報告した。

 Miller氏らの研究グループは、1966年から2004年8月の間に発表されたビタミンEに関する論文のうち、1年間以上の追跡期間、10人以上の死亡が報告されている、死亡率が報告されている、などの条件を満たす無作為化プラセボ対照試験19論文について解析を行った。試験実施国は米国、欧州、オーストラリア、イスラエル、中国などで試験参加者は合計13万5967人。臨床試験のうち、1日400IU以上のビタミンEを投与していたのが11試験、400IU未満が8試験だった。

 解析の結果、ビタミンE投与量と総死亡率には正の相関関係が見られた。1日投与量がおおむね150IUを超えると非投与群より死亡率が高くなり、400IU以上では顕著に増加していることが分かった。400IU以上の投与を行った11論文の合計では、プラセボに対して総死亡は1万人あたり39人多く、相対リスクは1.04(CI:1.01-1.07、P=0.035)で有意な増加が見られた。400未満の8論文の合計では、総死亡はプラセボ群に対して1万人当たり16人少なかったが、相対リスクは0.98(CI:0.96-1.01、p>0.2)で有意な差は得られなかった。

 この報告のもっと深刻な衝撃は、本報告で有害性が指摘された400IUという用量が、米国栄養評議会(CRN)や日本の厚生労働省が規定したビタミンEの1日当たり許容上限摂取量を下回っていることだ。

 CRNではビタミンEの1日推奨摂取量を15mg(約23IU)、1日許容上限摂取量を1000mg(約1500IU)としている。日本でも第6次改定日本人の栄養所要量の中でビタミンEの推奨摂取量を男性10mg(約15IU)、女性8mg(約12IU)、許容上限摂取量を600mg(約900IU)と定めている。日本では現在、第7次栄養所要量の策定が進められているが、日米当局とも次期改定に当たっては何らかの形で本報告の反映を検討せざるを得ないだろう。



長々と難しい事が書いてあるが、
要は、
「ビタミンE」は摂取し過ぎると有害!今まで指導を受けて多く摂って来た人、要注意!!」
ってこと。
困った事には、厚生労働省が定めている“上限量”より、
遥かに低い量で、明らかに問題が生ずる、という事らしいのだ。


以前のエントリーで、“個別の栄養素ばかりに焦点を絞った食事法への疑問”に関する事を書いたが、
まさにこのような事が分かって来ると、
ますますその思いを強くする。
もちろん、食事のみで人の健康の全てが決まる訳では無いが、
今までの情報を信じて来た人たちは、どう思うのであろう。


これからも、様々な研究が進んで、
“現在良い”とされている事も、数年先には“悪い”行為になる事も多数出て来る。
情報には注意するのはもちろんだが、
私たちは何を信ずれば良いのか…。
以前のエントリーも是非読んで見てください。


分からない人は、何はともあれ、このblogを今後も読み続けて下さい。


なんてね…。


英語が堪能な方はどうぞ↓

米国内科医会Annals of Internal Medicine誌、2005年1月4日号に掲載予定の原著論文

AHA(米国心臓財団)ニュースリリース